手書きの手帳のメリット
紙の手帳の良いところ
手書きの手帳の良いところは、物理的な制約があることだと思う。
手書きの手帳はスマホやパソコンのように大量の情報を手軽に保存できるわけではない。
だからこそ、するつもりのない予定やかけない電話番号、手紙を送らない住所や二度と見ないメモは「なんとなく保存」されることはなく、「必要がないから破棄」されやすい。
人生の時間は有限であるから、有限である紙の手帳に自分の予定を書き込むことは、いくぶん身の丈に合った処世術であると思う。
これは手書きの手帳のメリットであると同時に、教訓でもあると思う。
有限なページ
紙の手帳のページは有限だ。それゆえに情報の新陳代謝がある。
スマホやパソコンのように次から次にページを新規作成でき、それら大量にを保存できるわけではない。
もちろんシステム手帳であればリングを開閉しページを足すことはできるが、いずれにせよ手帳の体を成すには差し込めるページに限界がある。手書きの手帳を使う人はページの範囲内に情報を収めるか、あるいは新しいページを加える代償に古いページを抜き取らなければならない。
人が把握できるものには限りがある。
一日にできることに限りがあるのであれば、一か月後にすることも一年後にすることも取捨選択する必要がある。
何をするか何を予定するかと同じくらい、何をしないかを決めることは人生において重要だ。
そのような取捨選択の道具として、手帳は役に立つだろう。
使わない物を見定める
手書きの手帳は自分が使っていない物や不要な情報が何かを自覚することに役立つ。
スマホはその小さな本体がインターネットにつながることで、無限とも思える情報に触れることができる。
一方で紙の手帳はそうはいかない。いつでも携帯性と情報量のバランスを見極めなければならない。これは不便で不毛なことであると同時に、一つの示唆を与えてくれる。
人が生きていく上で本当に必要なものはそう多くないということだ。
紙の手帳とボールペン。それらで書かれた言葉や情報。
それらは(インターネットの世界と比べれば)限りがあり非常にわずかなものかもしれないが、その不便さの中で気づくこともあるかもしれない。なぜなら私達人間は不便で不完全で有限な存在だからだ。