ITとAIが発展した未来
ITとAIが発展し、私達の生活は大きく変化した。
多くの物・事が機械化され、自動化され、それまでは人がやっていた多くの作業をコンピューターが担うようになった。
結果として、人は多くの作業から解放された。一昔前より多くの作業を機械がやってくれるようになり、私達は機械ができない作業に注力するようになった。
それは社会にとって良い変化だったのか、悪い変化だったのか。
それは人間にとって良い変化だったのか、悪い変化だったのか。
正直私にはよくわからない。
ITとAIが発展し、多くの作業・仕事が機械に置き換わり、結果として多くの人の仕事を奪った。
それまで人がお金をもらってやっていた仕事を、機械が自動でやってくれるようになった。
機械ができるような作業を人がすることに、価値はなくなった。
特に人がやっても機械がやってもどっちでもいいような作業、結果を重視されるような作業の機械化は著しかった。
たくさんの人がその技術の変化についていけず、取り残されることになる。
一昔前の時代では自分の仕事をして家族を養っていた人々が、途端に技術のない無能な人材の烙印を押される。
それはその人が時代についていけなかったせいなのだろうか。
それとも、そうやって急速に人を切り捨てる社会の変化にも責任があるのだろうか。
いずれにせよ、そうやって職にあぶれた、前時代のサラリーマン。
私は企業で就職面接を担当しているのだが、そういう高齢者の応募が後を絶たない。
「それでは、アピールポイントというか、スキルはどのようなものがありますか?」私は聞く。
「はい、私は前職ではアプリ開発やサーバーの運営に携わっていました。そのためプログラムは得意です。セキュリティに関する知識もありますので、ネット上のリスク管理にも自信があります。ワード・エクセル・パワーポイントといったオフィスソフトも一通りこなせます」応募者はそう答えた。
「ご存じかとは思いますが」私は言う。「プログラムやリスク管理はAIが行えるのでわざわざ人力でやることはないと思います。そのオフィスソフト? ですが文書は自動生成できるので使う機会は少ないと思います。前職ではデスクワークが主だったんですかね? 鈴木さんは力仕事とかスポーツの経験はありますか?」
「いえ……」応募者は委縮してしまう。
「今日はありがとうございました。後日結果をお伝えします」
この人も不採用だなと私は心の中で思った。
一昔前はITで活躍した人物なのだろうが、身体も貧弱だし根性もなさそうだ。うちのような介護現場で働けるとは思えない。
ITとAIが発展し、多くの作業・仕事が機械に置き換わり、結果として多くの人の仕事を奪った。
プログラムなどパソコン上でできる仕事、医療や法律など知識を集約して行う仕事はAIが代替した。そのような仕事をわざわざ給料を払って人にやってもらう必要はない。
今の時代に必要とされる人材は、機械がやらないような肉体作業、機械にやらせるほどでもない少量で頻繁に内容が変わる単純作業だけだ。
そしてそれらを文句も言わず、ただ黙々とやれる体育会系の根性。
これからの時代に必要なのは、そういう人材だ。
さて、今日の面接も終わったし、仕事帰りはジムでも行くか。