宇宙人が地球に来た
宇宙の遥か彼方から、宇宙人が地球にやってきた。
彼らは地球とは比べ物にならないほどの科学技術を有している。
宇宙を探索し地球を見つけた宇宙人は、調査のために地球に降り立った。
彼らの寿命は人間と大差はないが、彼らは宇宙をあっという間に移動できる宇宙船の技術を持っていた。位置さえ特定できれば、彼らが目的の星にたどり着くのにそう時間はかからない。地球人が飛行機に乗って海外出張に行くのと同じ感覚だ。
宇宙人が調査したところ、地球の環境バランス、つまり海と陸の割合や森林の豊かさなどは宇宙人達の故郷とそこまで大きく変わらないことがわかった。
当然ながらコミュニケーションの言語体系は異なる。しかし地球人の言語体系をある程度研究すれば、翻訳も可能かもしれない。宇宙人はそう考えた。
地球を侵略するという考えは宇宙人にはないようだ。もちろん一部の宇宙人にそういった過激な思想を持っている者もいるが、惑星間の関係は友好的に築いていきたいのが現在の宇宙人の考えの主流だ。
宇宙人はさらに地球の研究を続ける。
しかしながら、地球の生物はどれも格段に大きい。宇宙人はそう思った。
おそらく人間からは、今回降り立った宇宙人を肉眼で見ることは不可能だろう。
エピローグ
宇宙人による地球の研究は今も続いている。
現地での研究は長期間になり、地球で生まれた宇宙人の子供も増えてきた。故郷の星に一度も帰ったことがない宇宙人。この子たちは宇宙人なのだろうか地球人なのだろうか。宇宙人はふとそんなことを考える。
地球の資源は宇宙人とも相性が良いようで、宇宙人は地球で採取した食料を食べている。
しかしその相性も完全ではなく、宇宙人によっては軽い食物アレルギーのような症状を呈する場合がある。
しかし最近、地球で生まれた宇宙人はそういったアレルギー症状がほぼないことがわかってきた。生まれたときから地球にいるためだろう。
だんだんと宇宙と地球が混ざり合っている。
宇宙人はそう思った。宇宙と地球に国境はないなぁと宇宙人はぼんやり考える。