なろう系の異世界転生小説
無職・独身のニートであった中年の僕は、不慮の事故がきっかけで死んだと思ったが異世界に勇者として転生した。
僕の身体は高校生の頃に戻っており、チート能力を授かった僕はその世界における「千年に一人の対魔能力を持つ勇者」らしい。
対魔能力を持つ僕には魔王達が用いる「闇魔法」が効かず、そして勇者にしかないチート能力「ブレイブ・ソード」がある。
ブレイブ・ソードは自身のインスピレーションにより特殊能力を持った剣を作り出せる能力で、これによって僕は相手に応じて「炎の剣」「氷の剣」「風の剣」「治癒の剣」「鋼の剣」を使い分けることができる。
僕は四人の美女とパーティを組むことになる。彼女らも僕と同じ世界から転生した存在だ。
一人目は魔道具使いのユキ。元の世界では女子大生だったそうだ。
二人目は僧侶のエル。物静かで元の世界では私立中学のお嬢様。バフ使いであり僕らを支えてくれる。
三人目は召喚士のアキ。元の世界では女子高生で、強気な性格の彼女は魔法を辿す獣を召喚して戦う。
そして四人目。魔法使いのヒカリ。僕が高校生の頃、片思いをして結局告白できずに終わった憧れの女性。彼女も僕と同じように高校生の身体になってこの世界に転生した。
言わずもがな僕達は魔王を倒しこの世界の苦しむ人々を救わなければいけない。けれど魔王を倒せば僕達は元の世界に戻ることになり、ヒカリとこうして旅をすることはできない。僕はどうしたらいいのだろう。世界の平和と、愛する人との日々。どちらを取ればいいんだ。そして僕がこの異世界で、ヒカリに告白をしたらどうなってしまうのだろう。二人の関係は、元の世界に戻ったときにどうなってしまうのだろう。
そしてこの世界の謎もある。なぜ僕とヒカリだけが十代の姿に戻って転生したんだ? それには何か秘密があるはずだ。
僕達の旅は魔王を倒すだけでなく、僕達の転生の謎を解く旅でもあるのだ。
「と言うタイトルです」僕は言った。
「これ本文じゃなくてタイトル? 長くない?」編集者は言った。
「最近はネタバレするくらいの長いタイトルが流行りなので」僕は言った。
「いや、それにしたって長いでしょ」編集者はそう言った。