ヘルメットの努力義務化
2023年(令和5年)の4月から自転車におけるヘルメットの着用が努力義務化された。
努力義務なのでヘルメットを付けなくてもとりあえず罰則はないが、「自転車に乗るときは基本的にヘルメットは被る物」という明確なメッセージが打ち出されたと考えていいだろう。
ヘルメット着用の努力義務化については、「安全のためにそのほうがいい」とする考えもあれば、「安全も危険も個人の自由。自己責任。なんでも国が決めるのは違うのでは」という自由主義的な考えもある。
私はヘルメットの着用の努力義務化は賛成だ。むしろ努力義務ではなく義務化でもいいと思っている。
個人的に、ヘルメットは被るメリットが大きく、デメリットはほぼないと思っている。
警視庁によれは、自転車による死亡事故の7割は頭部に致命傷を負っている。
またヘルメットを着用しない場合、着用した場合と比べて致死率が2.3倍も高くなっている。
ヘルメットを着用することがどれだけ安全に寄与するかは明らかだろう。
そうは言っても、ヘルメットを被ることを面倒に感じる人は一定数いるだろうと思う。
髪型が崩れるとか、見た目がダサいとかである。
特におしゃれに敏感な高校生や大学生などは、その傾向が強いのではないだろうか。
こういう多感な時期は、長期的な安全性や利益よりも目先のキラキラしたものに飛びついてしまいがちだ。
自転車に乗っていて転倒したり事故に巻き込まれる。そのとき頭を打ってしまったら。
少し考えればわかることだろうが、それでもヘルメットを被ろうとはしない。
頭部を撃った時の深刻な怪我・後遺症を防ぐことができると考えれば、ヘルメットを被ることはなんとも簡単で効果の高い行為であると思うのだが、そういう思考に至らない。
人はある程度年齢を重ねれば賢くなると思うのだが、なかなかそうもいかないようだ。
しかし人は人、自分は自分。努力義務の現状では、ヘルメットを着用しないこともそれはそれで選択なのかもしれない。
私はそう思いながらヘルメットを被り自転車に乗る。そろそろ出かける時間だ。
「忘れ物ないかな?」
「うん!」
お母さんの電動自転車に乗って、私は今日も保育園へ向かう。