コピー機で白紙を印刷し枚数を数えること

オムニバス(エッセイ風小説)

白紙を印刷するライフハック

紙の枚数を自動で数える工夫

 紙の枚数を数えるときに、コピー機やプリンターを使う方法がある。

 例えば百枚のコピー用紙を欲しい。(それはどういう状況なんだというツッコミは置いておこう)
 このとき、手で一枚一枚数えていくことは馬鹿らしい。
 そこでコピー機を使う。ワードなどであえて白紙を百枚印刷する。
 するとコピー機から百枚の紙が出てくる。

 百枚数え終わる速さはコピー機の性能に依存するが、いずれにせよ自分で数える必要がなくなり、待っている間に別の仕事ができる。

コピー機で紙を数えることへの非難

 こういうことを否定する・嫌う人がいる。

 コピー機やプリンターで白紙を印刷し枚数を数える方法への否定意見は、大きくは二種類ある。

 一つ目は、実際的な点での批判だ。
 コピー機で紙の枚数を数える場合、それにコストがかかるなら本当に合理的かを考えないといけない。

 例えば業者から借りている(リース)コピー機の場合、(たとえ白紙であっても)印刷枚数によってコストが変化する。白紙を印刷する行為はタダではないのだ。
 この場合、手で数える行為とコピー機を使う行為のコストを天秤にかけなければならない。
 (そうは言っても、多くの場合はコピー機のコストよりも紙を数える人間の時給のほうが高い。コピー機を使ったほうがいいだろうという話に落ち着きそうではある)

 いずれにせよこの意見は論理的なものであるから話し合いで解決するだろう。

 二つ目の否定意見は、「なんとなく気に食わない」という意見だ。
 こちらの意見は非常にめんどくさい。

 コピー機はコピーをする物だから、それで枚数を数えるという行為はなんだか気に食わない。

 そういう理由になっていない理由を言う人は少なくない。
 コピー機で紙を数えることがなんとなく「楽をしている」気がして、そういうことをする人をなんとなく非難する。

 そういうなんとなくで人を非難する人がいる。

変化を嫌い、人の足を引っ張る人

 新しい技術や工夫について、とりあえず否定したがる人は多い。
 人は変化を嫌うし、今まで自分がやってきたことを肯定したいからだ。

 コピー機で紙を数えるという行為は、普段とは違った視点で物事を見る、ある意味でクリエイティブな行為だ。
 しかし一部の人にとっては、それが「なんとなく堕落した」「なんとなく腹が立つ」行為に見えてしまう。

 世の中には三種類の人間がいるのだろう。
 紙の枚数を自分で数える人。
 紙の枚数をコピー機で数える人。
 紙の枚数を人に数えてもらう人。

 三番目の人は、コピー機で数えると怒る。けれど見えないところでコピー機で数え、それを「私が数えました」という顔で渡すと、「ありがとう」と言ってくれる。

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