スマホとパソコンの違い
パソコンとスマホの違いは「創造性」と「携帯性」に関しての出発点の違いであろう。
パソコンはデジタル空間やインターネット上において「何かを作るための据え置きの装置」を出発点としている。
対してスマホはそういった「ITテクノロジーにどこからでも触れるためのツール」を出発点としている。
以上を踏まえ、パソコンとスマホの違いについて考えていきたい。
パソコンとスマホの関係性
曖昧になっていく境界線
パソコンとスマホの違いに明確な定義はなく、さらには両者の違いは年々曖昧になっている。
パソコンはスマホのように、スマホはパソコンのようになっていると言ってもいいだろう。
あるいは互いが互いの長所を取り込んだ上で発展しようとしている。
スマホのようになっていくパソコン
パソコンは携帯性と完結性を年々向上させている。
携帯性についてはより薄く軽くなっているということである。
そして完結性とは、パソコン本体にカメラやマイクが標準装備されているという点である。
一昔前は、パソコンは外部機器と接続することが当たり前の機械だった。
マイクにカメラにスピーカー、マウスやプリンター。
しかし今ではマイクやカメラは標準装備。操作しやすい大きなタッチパッドあるいは画面を直接タップする物も珍しくない。
またインターネットの普及により紙で印刷する機会は減り、DVDやCDのためのドライブを装備する機種も激減した。
スターバックスでMacを扱う若者を象徴するように、パソコンは「据え置きの機械」から「移動できる小さなオフィス」になりつつある。
パソコンのようになっていくスマホ
スマホがパソコンのようになっている最たる例として、携帯性はそのままにスペックが向上している点が挙げられるだろう。
容量や処理速度がどんどんと上がり、かなり大きなデータも処理できるようになっている。
ホーム画面は多種多様なアプリが並び様々なニーズに対応する。SNSでは簡易に編集された動画や画像が日夜アップされている。
スマホ本体の容量が増えただけでなく、クラウド上でデータをやりとりすることが当たり前になったことも要因としてあるだろう。
パソコンを使わずスマホ一つでお金を稼ぐことが先進的な働き方の象徴とされるケースも珍しくない。
両者の位置づけ
以上のように、パソコンはスマホの特性を、スマホはパソコンの特性を内包しようとしており両者の違いは年々曖昧になっている。
「パソコンとスマホのできることの違いは何か」という単なる機能の違いだけで両者を説明することは難しくなってきていると言えるだろう。
このためパソコンとスマホの違いをとらえるには、もっと広い視点で見なければならない。
それが冒頭で述べたそれぞれの発端と位置づけの違いである。
パソコンとスマホの違いから
パソコンとスマホの違いはその位置づけである。
パソコンはデジタル空間で何かを作るための装置であり、スマホはそういったデジタル空間にどこででもアクセスするためのツールだ。
この文脈を念頭に置くことは、パソコンとスマホどちらをどういうときに使うかといった意思決定を助けてくれるかもしれない。