ドリッパーの種類|コーヒーを飲むことと小説を読むこと

オムニバス(ショートショート)

ドリッパーでコーヒーを淹れる

 コーヒーを淹れるとき、私はメリタのコーヒードリッパーを使っている。

 メリタのコーヒードリッパーは台形で、底に一つの穴が開いている。
 ペーパーフィルターを使ってコーヒーを淹れる方法を考えたのはドイツの主婦メリタと言われている。メリタ社は彼女が作ったコーヒーの会社だ。

 コーヒードリッパーは種類が多いが、よく目にするのは大きくは三種類ほどだと思う。
 メリタとカリタとコーノ。

 メリタは先述の通り台形の形で、同じく台形のペーパーフィルターを用いる。
 底の穴が一つで、お湯が流れ落ちる速度がゆっくりで、初心者でも味にブレがないコーヒーを淹れることができるとされている。

 カリタは同じく台形であるが、底に三つの穴がある。
 このためお湯が流れ出る速度が速く、お湯を注ぐペースによって味が微妙に変わる。
 カリタは日本の会社だ。日本ではカリタのドリッパーがよく売られているイメージがある。

 コーノは円錐型で、ペーパーフィルターも同じく円錐の物を使う。底は抜けたような大きな穴。
 流れ出る速度が速いため、こちらも淹れ方で味が変わる。
 ちなみにコーノと同じく円錐型でハリオという物もある。コーノとハリオでは内側の溝が異なるが、どちらも円錐型で底の穴が大きい。

 味が初心者でも一定にできるという点から、私はメリタのコーヒードリッパーを使っている。
 台形のペーパーフィルターが安くで手に入れやすいというのも理由の一つだ。

 あと、諸説あるがカリタはメリタを模倣していると言われている。要するにパクリだ。
 創業はメリタの方が先でカリタが後。両者は語感もロゴも非常に似ている。
 また刈田という漢字を当てると、「刈」という字がそのまま「メリ」とも読める。
 パクリかどうか真偽は定かではないが、少なくとも「被っている」とは思う。
 それがなんとなく、私の感覚としてあまり心地良いものではない。

 これは感覚の問題であるから、好みの問題だ。
 どのような方法でコーヒーを淹れるかは結局好みの問題なのだ。絶対的な良し悪しはきっとない。
 どこまでがインスパイアでどこからがパクリで、何がオマージュで何がリスペクトで何ならパロディとするかは人それぞれだ。

 味に疎い私は、三つ穴のドリッパーで淹れたコーヒーと一つ穴で淹れたコーヒーの違いを、たぶんそれと知らずに飲めば区別することができない。
 だからこれは、単に好みの問題なのだ。

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