Hello world.「こんにちは、世界」

オムニバス(エッセイ風小説)

こんにちは、世界

 プログラミングにおいて、テストとして文字を表示する際、「Hellow World!」という言葉がしばしば使われる。

 「こんにちは、世界」あるいは「世界の皆さんこんにちは!」。
 いずれにせよ、何かが生まれるとき、何かが始まるとき、ぴったりの言葉だと思う。
 そこには世界や自身に対する愛おしさを感じる。

 「Hellow World.」、「こんにちは、世界」。

何かを始めるということ

 とりあえず何かを始めるということについて書こうと思う。

 人が意図的に何かを始めることは、ずいぶんと難しい気がする。
 そしてそれを続けることは、もっと難しいことだと感じる。

 継続は力なりとよく言うが、それは人にとっていかに続けることば難しいかの教訓を含んでいるのだろう。
 人にとって、何かを意図的に続けることはなんとも難しい。

 だからこそ、「続いていること」は、「なんとなく」始まっていることが多いのではないだろうか。

 逆に意気込んで始めたことが、意外と続かないことがある。
 強い意志で何かを意図的に始めても、なかなか続かないことが多い。
 おそらく自分とうまく馴染まないのだろう。

 しかしそうは言っても、人は自分の意思で何かを始めたいと思うことを避けられない。
 多くの人は自分の人生をより良くしたいと思っているし、おそらくそのためには「何か」を始めようとする。

 人生をより良くするために新しいことを始めるべきかという議論もあるが、それはそれとして、何かを始めそれを続けていくにはどうしたらいいかということも深いテーマだと思う。

 おそらく、肩に力を入れた「始める」は続かない。
 おそらく、過去の自分を振り返らない「始める」は続かない。

 人が自分を大きく短期間で変えることは大変だ。
 たぶん何かを始めたい、変わりたいと思ったときに、人には緩やかな変化が必要だ。

 今までの自分でも始められる小さいことから始めること。
 日々はささやかなことの積み重ねであること。

 そうやって穏やかに始まり続いていくことが、自分をまだ見ない場所に連れて行ってくれるのかもしれない。
 
 
 

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