恋人の作り方
青年は恋人が欲しいのだがなかなかモテない。
そこで青年はいつも恋人がいる友人Aにどうしたら恋人ができるか相談した。
「相手の話を聞くことだよ」友人Aは言った。
「相手の話をよく聞くこと。人間、ついつい自分のことばかり話してしまうものさ。そうじゃなくて、相手の話を聞いて、相手に興味を持つことが大切だよ」
友人Aの話を聞いて、青年はなるほどと思った。
ある日、青年は意中の女性と話す機会があった。青年は女性の話を聞いた。
女性は青年が聞いてばかりで全然話さないので、少し気まずそうだった。
そして後日、青年は告白をした。そして青年は振られてしまった。
そこで青年はモテると評判の友人Bに相談した。
「言動も大切だけれど、身なりも大切だよ」友人Bは言った。
「おしゃれな服や清潔な服。人は内面が大切だけれど、内面は外見ににじみ出るものだよ。服装や髪形に気を配れることは大切だよ」
友人Bの話を聞いて、青年はなるほどと思った。
そこで青年は、清潔感があっておしゃれそうな白いシャツを買った。
ある日青年は友人達とみんなでバーベキューをする機会があった。
そこには青年にとって気になる女性もいた。
「バーベキューなのに、その服動きにくくない?」女性は冗談っぽく青年に言った。
青年とその気になる女性との関係は、特に進展しなかった。
どうしたら恋人ができるのか、大学時代の友人で今は起業している友人Cに相談した。
「ぶっちゃけお金だよ」友人Cは言った。
「こういう仕事をしているからわかるけれど、お金を持ってると本当に言い寄ってくる女性が増えたんだ。もちろん人生、お金が全てじゃないと思う。でも、そのお金が人間関係の入り口になることがあるんだ」
友人Cの話を聞いて、青年はなるほどと思った。
青年は平凡なサラリーマンだが、物欲がないこともあってそれなりにお金は貯まっていた。
青年は奮発して高級な腕時計を買ってみた。
「ちょっと成金みたいね」
青年は同じ会社の同僚で、比較的気楽に話す女性社員にそう言われた。
青年はどうしたものかと思った。
いろんなことを試したけれど、一向に成果が出ない。
青年は意中の女性と結婚した友人Dに聞いてみた。
「察することじゃないかな」友人Dは言った。
「『こうすれば誰にでもモテる』なんて万能な方法はきっと存在しないよ。『モテるにはどう接したらいいか』じゃなくて、『この人とどう接するか』を察することなんじゃないかな」