百鬼夜行の意味|ショートショート

オムニバス(ショートショート)

百鬼夜行(ひゃっきやこう)とは?

 慣用句・四字熟語としての「百鬼夜行」は、「多くの人間が徒党を組んで怪しい行いをする様子」を表している。
 元は物語において、鬼や妖怪が群れを成して夜に歩く様子を表す言葉である。その恐ろしい様から、上述のような慣用句の意味を持つことになる。
 百鬼夜行の読み方は「ひゃっきやこう」「ひゃっきやぎょう」いずれも見られる。
 言い伝えでは、百鬼夜行に出会うと死んでしまうとされている。このため百鬼夜行が行われる日の夜は極力外出を控えたほうがいい。万が一、百鬼夜行に遭遇してしまった場合は特定の呪文を唱えることで難を逃れることが可能である。

 このように不吉な百鬼夜行ではあるが、時代が変わればその位置づけも変化する。
 特定の地域では百鬼夜行が一つのイベントとなっている。当日は多くの人が妖怪の仮装して夜道を練り歩く。その様子は和製のハロウィンとも言えるだろう。

 私はこの百鬼夜行のイベントが好きで、毎年のように参加している。
 毎年、人々の仮装のクオリティの高さに驚く。まるで本物の妖怪が百鬼夜行を行っているようだ。
 私はこの百鬼夜行のイベントがもっと広まってほしいなと思う。

 正直、ハロウィンやクリスマスなど、この国は外国のイベントを取り入れ過ぎている。もちろん、元々存在しなかった文化を取り入れるのは悪いことじゃない。しかし、わざわざハロウィンを取り入れなくても、日本には百鬼夜行があるじゃないかと私は思う。

 もちろん、百鬼夜行がハロウィン並みに普及するにはいくつかの課題もある。
 その一つは妖怪の仮装が怖すぎる点だ。ハロウィンのようなポップな仮装でないため、小さい子供は怖くて泣いてしまうかもしれない。そうなると子連れの参加・集客は望めない。かといって仮装を可愛くし過ぎては、昔から伝わる伝統の妖怪の容姿が浮いてしまう。なかなか難しいものだ。
 いずれにせよ、日本でもっと百鬼夜行のイベントが普及してくれればなと思う。
 そうすれば妖怪である私も、大手を振って町を歩く機会を得やすくなる。

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