もしも一生幸せでいたいなら
一日だけ幸せでいたいならば、床屋に行け。
一週間だけ幸せでいたいなら、車を買え。
一か月だけ幸せでいたいなら、結婚しろ。
一年だけ幸せでいたいなら、家を買え。
一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。
たまに聞くこの言い回しは、イギリスのことわざだ。
要するに、人は慣れる生き物で、「何か」によってもたらされる幸福は一時的なものだという教訓だ。
だから私達が持続的に幸せであり続けるためには、生き方とか考え方に着目しなければならない。そういうことだろう。
つまり私達が幸せについて考えるとき、こういうことが言えると思う。
一日だけ幸せでいたければ、自分の見た目を変えればいい。
化粧も髪型も夜には崩れるし、洋服は洗濯しないといけないが、その日は心が躍るだろう。
一週間だけ幸せでいたければ、物を買えばいい。
欲しい物を所有し近くに置いておくことで満たされる感覚。それを使う満足感。
それらは一週間もすれば飽きてしまうだろうが、少なくともその間は私に高揚感を与えてくれる。
一か月だけ幸せでいたいなら、パートナーを見つければいい。
初めはその日々に胸がときめくだろう。一か月も寝食共にすればただの日常になってしまうのだろうが。
一年だけ幸せでいたければ、住まいを変えるといい。
新しい家と新しい街。それらは新鮮で私自身も生まれ変わった気がする。一年もすれば家の汚れも街の不便さにも目が行くだろうが。
そして一生幸せでいたければ、正直であればいい。
正直とは、他者に対してだけでなく、自分に対してもだ。
自分の気持ちに嘘をつかない。自分の心の声に耳を傾け、私が私らしく生きること。
それが一番人生に充実感を与えてくれる。
他人に自分の気持ちを正直に伝えることは、初めは勇気がいるかもしれない。
しかしそれも最初だけだ。なぜなら人は慣れる生き物だから。
髪を切ることも車を買うことも結婚することも新居に住むことも、人は慣れてしまう。
だから自分を変えることに対する違和感も、すぐに慣れてしまうだろう。
一生幸せでいるために、正直にいよう。
自分に対して、正直であろう。自分の正直な気持ちを打ち明けよう。
ということで、私は自分の心の声(髪がうざい、仕事に気分が乗らない)に耳を傾け、会社に有休の届けを出し、美容室にでも行こうと思う。そしたらたぶん、とりあえず今日は幸せだ。