快刀乱麻とは
快刀乱麻(かいとうらんま)とは、物事を鮮やかに解決することを表す四字熟語である。
快刀、つまり切れ味の良い刀で乱れた麻の紐を断ち切っていく様子からできた言葉であるとされている。この麻の紐を爽快に切っていく様子が、鮮やかな問題解決の比喩となっている。
鮮やかな問題解決とはどのような問題解決の仕方であろうか。
これにはいくつかあるだろう。
一つは、優れたアイディアで複雑な問題をシンプルな手法で解決してしまうパターンである。
複雑な問題の解決方法がいつも複雑とは限らない。シンプルイズベストという言葉があるように、真理は意外と単純なことであったりする。
優れたアイディアを即座に思いつき、複雑な問題を単純な物事に落とし込む。そういったことができる人は優秀で、まさしく快刀乱麻のごとき手腕と言えるだろう。
優れた問題解決には、視野の広さも必要だ。
大抵の問題は、複数の物事が絡み合っている。いくつかの問題が混在していたり、複数の立場の人間の利害関係が絡み合っていたりする。このような場合に、無理に一方だけの問題を解決しようとするとこじれてしまうものだ。問題解決能力が高い人は、複数の問題を一つのアイディアで解決できる包括性・バランス感覚とも言うべき発想に優れている。
一方で、問題解決においてバランスばかり取っていても仕方がないときもある。
時として人には忖度のなさも必要だ。無駄な物は無駄。変えないいけないところは変えないといけないと、勇気を持って言い行動できることも重要だ。このためにはある種の自己肯定感も必要になってくるだろう。
以上のように、鮮やかな問題解決には豊かなアイディアとそれを思いつくための視野の広さ、実行するための思い切りの良さが必要となるだろう。
そしてもちろん、社会ではそのような問題解決ができる人間は才能のあるごく一部の人間だけだ。
多くの場合、人はなかなかアイディアが思い浮かばないし、視野が狭くなりがちだし、周りの評価が気になる。そういうものだ。
それどころか、世の中にはそれにとどまらず他人の足を引っ張る人間もいる。人のアイディアを潰し、狭い視野による価値観を押し付け、忖度した便宜的な判断で事態を複雑化する。
問題解決のうまさは人それぞれだが、少なくとも、人の足を引っ張るような人間は快刀乱麻のごとくばっさりと切り捨てたいものである。