意味が分かると泣ける話
家族の愛情
私の父と母は、私をとても愛してくれている。
私が小学生の頃、両親はいつも授業参観に来てくれた。
私が中学生の頃、思春期の私の話をどんなときでも真剣に聞いてくれた。
私が高校生の頃、私の受験勉強を何よりも優先してくれた。
私が大学生の頃、父と母は代わる代わる私の一人暮らしのアパートに来て、サポートをしてくれた。
私の両親は、いつも自分達夫婦の時間よりも、私のことを優先してくれた。
私は私の家族が大好きだった。
私が社会人になった一年目、私の両親は離婚した。
【意味の解説】
両親は子供の自立を待ってから離婚した。つまり子供が幼い頃からすでに夫婦の愛は冷めていた。
だから夫婦の時間を取る必要はなかったし、娘のアパートに代わる代わる来ることはあっても一緒に来ることはなかった。
息子の心情
息子は好き嫌いが多いというか、偏食の傾向がある。
いつも白米、要するに白ご飯しか食べたがらない。
「野菜やお肉も食べなさい」私がそう言うと、箸でつまんだほんの少しのおかずをたくさんの白ご飯で流し込むように食べる。
息子の偏食をどうしたものか。
ある日ネットで調べると、偏食は無理矢理食べさせてはいけないが、いろいろな物を見たり食べたりする機会自体は与えてあげたほうがいいと書いてあった。なるほど。
そこで私は家計を奮発して、ショッピングモールのビュッフェに息子を連れて行った。
「ここではバイキングだから、好きな物をいくらでも食べていいからね。気になるけど食べられるか心配な物は、少しだけ取ったりしてもいいのよ」
私がそう言うと、息子は嬉しそうにいろいろな食べ物にチャレンジしてくれた。息子の偏食もなんとかなりそうだ。
【解説】
息子は偏食なのではなく、貧しい家庭ゆえに母親に気を遣い白米ばかり食べている。
父親の強情
父親は強情というか頑固というか、ほんと融通が利かない。
私もつい意地を張って、よく口喧嘩をしたものだ。
「もっとお互い、素直になればよかったね」
仏壇から父にそう語り掛ける。素直になった私の言葉は、父に届いた気がした。
【解説】
亡くなったのは父親ではなく娘のほう。