お金があれば幸せなのか?(哲学)

オムニバス(エッセイ風小説)

お金があれば幸せか

お金があれば幸せか

 お金があれば幸せか。
「金さえあれば幸せになれるんだ」
 そんなことを言ってしまえば、チープな漫画の敵キャラみたいだ。

 誰だってわかっている。
 お金だけでは幸せにはなれないことも、
 お金なしでは幸せになれないかもしれないことも。

 私達はお金と、どんなふうに付き合っていけばいいのだろう。

お金で買える幸せ買えない幸せ

 お金で幸せは買えるのか。
 よく言われる議論だ。

 お金で買える幸せの多くは、物やサービスで語られることが多い。
 高級なバック、華やかな旅行。

 お金で買えない幸せの多くは、人間関係で語られることが多い。
 愛する家族とのひと時、損得勘定がない友人関係。

 そして私達の人生は、お金で買える幸せとお金で買えない幸せが対立しているのではなく、連続的につながっていることに気づく。

 お金ではないつながりで、私達はかけがえのない人と出会い、私達はその大切な人達と食事に行ってお金を払う。

 生まれてくる命にお金では語れない愛を感じ、彼ら・彼女らの成長にお金を使う。

 卵が先か鶏が先か。

 少なくともお金というものは、何かを得るための途中経過であることに気づく。

 それは物かもしれないし、知識かもしれないし、体験かもしれないし、時間かもしれない。

 少なくともお金というものは、それ単体で幸せを生んでくれないことに気づく。

 私達はお金を払い何かを得て、その得た何かが変化して、お金で買えない大切なものになる。
 その大切なものは、またお金が必要な状況を作り出す。そのよう中で、私達はお金だけでは語れない人生を歩んでいく。

お金があれば幸せなのか

 お金があれば幸せなのか。
 お金を正しく使えば幸せで、間違った使い方をすれば不幸になるだろう。
 だから間違ったお金の使い方をするくらいなら、お金がないほうが幸せだ。けれどお金がなければ正しくお金を使ったときの幸せは得られない。

 正しいお金の使い方。
 それは人によって違うだろう。
 正しいお金の使い方とは、連続的につながったお金と人生の流れから外れない使い方だ。

 お金があれば幸せなのか。
 その問いを考えながら、思慮深くお金と付き合うこと。
 それは正しいお金の使い方の一つの形なのだ。

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