ノマドワーカーの自由な働き方|ショートショート

オムニバス(ショートショート)

ノマドワーカーの自由

 ノマドワーカーとは、場所にとらわれず働くスタイルを指す。
 遊牧民を表す「ノマド(Nomad)」と、働く人を表す「ワーカー(Worker)」の造語だ。
 遊牧民のように定住せず、様々な場所で働く人。

 ITが発展した昨今では、インターネットにつながるパソコンやタブレットさえあれば、どこでも仕事をすることができる。そんな時代の変化もあって、ノマドワーカーやリモートでの仕事は増えている。

 IT系の仕事は、インターネットとパソコンさえあれば仕事ができる職種の典型だろう。大切なのは自分がどんなプログラム・デザインを書くか。つまりパフォーマンスであり場所は関係ない。
 家で仕事をすることもあれば、事務所で仕事をすることもあるし、気分転換のためにカフェで仕事をすることもある。ふらりと旅行に行ってその合間に旅館で仕事をすることもある。

 いつでもどこでも仕事をできることが、気が休まらないと思う人もいる一方で、場所にとらわれず気楽だと考える人もいる。毎朝決まった時間に起きなくていいし、混むとわかっている通勤ラッシュの電車に乗らなくてもいい。好きなときに好きな時間だけ仕事をする。それが長いときもあれば短いときもあるけれど、それを決めるのは自分自身。それは仕事に主体性という充実感を与えてくれる。

 お気に入りのカフェでコーヒーを買い、今日もカフェで仕事をする。席に座って隣の椅子に置くのは、機能的で洗練されたバックパック。
 バックパックからmacのノートパソコンを出し、電源につなぐ。最近は席にコンセントが備えてあるカフェが増えたなと思う。
 パソコンの隣には、モバイルバッテリーにつながれたスマートフォン。
 おしゃれなインテリア、座り心地が良い椅子、微かに流れるBGMと、香りの良いコーヒー。机の上には洗練されたIT機器。場所や時間に縛られず、自由に働く。その二時間は、雑多なオフィスの中では生み出せないパフォーマンスを生む。僕は言う。
「お客様、テーブルにも書いておりますが、日曜日の長時間の学習やリモートワークはご遠慮願います。ここはショッピングモール内のカフェで、休日は家族連れのお客様も多いためご協力をお願いします」

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