個人サイトとクラフトインターネット
クラフトインターネット
クラフトインターネットという言葉が少し注目され、また個人サイトが再びささやかに注目されている。
クラフトインターネットは要するに古いインターネットの雰囲気を指す。
もう少し具体的には、SEOやプラットフォームに依存せず相互リンクでネットを盛り上げるような形のことだ。(クラフトインターネットという言葉は俗語・造語のようなもので、厳密な定義があるわけではない)
「SNS疲れ」という言葉を聞いて久しい。
要するに、すぐにつながり・すぐに拡散し・すぐに廃れる、現代のインターネットの在り方に疲れてきたということだ。
要するに、検索順位を上げるためにセンセーショナルな言葉を利用し、中身が伴わないネットコンテンツに疲れてきたということだ。
そのような中で、人々は(懐かしさもあり)昔のインターネットの形に注目している。
個人サイト
個人サイトというのは文字通り個人がやっているサイトだが、そこに「自由」を感じる人たちもいる。
プラットフォームでは書くことや言うことに制限が伴う。(もちろん倫理的には個人サイトであってもなんでも言っていいというわけではないのだが)
また、勝手に「おすすめ」に出てきたり、見る側もどこか窮屈に感じることもある。
もっとひっそりとささやかに、個人が「好きで」やっているサイトを別の個人が「好きに」見る。
そういう、「好き同士のつながり」が「主張し過ぎない」のが個人サイトおよびクラフトインターネットの魅力だと思う。
懐古主義に対して
昔のインターネットがなんでもかんでも良かったかと言えばそうではない。ということも念のため言っておきたい。
やはり現代の検索アルゴリズムは優秀だと思うし、SNSは正しく使えば便利だ。
だから今の時代は少なくとも昔より前進しているとは思う。
だから個人サイトやクラフトインターネットは、多様なインターネットの形の一つになり得るのではないかという可能性の話だ。時代を押し戻そうという話ではない。
現代のインターネットの中に、そういう「ささやかな在り方」をするサイトに価値を見出す人もいるのではないかという話だ。