【泣ける・感動する話】実家からの電話|1分で読める短い話集

詩・散文

実家からの電話 その他

変わりはないよ。元気だよ。

 実家から電話がかかってくる。
「元気にやってる? 変わりはない?」と親は聞いてくる。
「変わりはないよ。元気だよ」と言う私。
 口を開けばそう聞く母に、私は流すようにそう言っていた。
 数年後、母が病で倒れた。長年の無理がたたったらしい。
 そういえば、「元気にやってる? 変わりはない?」 と、私のほうから聞いてあげられなかったなぁと気づく。


子供が欲しいもの

 キッチンに立ちっぱなしだった母。
 仕事が忙しくても、私のご飯を用意して、
 きちんと座ってゆっくり噛んで食べなさいと、母はいつもそう言っていた。
 自分はキッチンに立ちっぱなしで食事をしていたのに。
 自分のことは放っておいて、私のことを一番に思ってくれる母。
 そこに愛を感じるけれど、一人で座る食事は寂しかった。
 だから完璧でなくてもいい。
 私は一緒に座って同じご飯を母と話しながら食べたかったんだと思う。
 それが子供にとって一番の栄養なのだと思う。


家族の写真

 私が生まれたときの写真。
 保育園、小学校、中学、高校、成人式。
 お父さんはたくさんの写真を撮ってくれた。
 でも先にいなくなるのは、見返せる写真があるほうじゃなくて、
 写真を撮っていた側なんだなと、私は今更気づく。
 大切な人とは一緒に写真を撮ろう。


残業

「おかえり」と言ってくれる、明かりが灯った家。
 玄関に子供が走ってくる。帰って早々に、遊ぼう遊ぼうとせがむ我が子。
 じゃあ10年後はどうだろう。
 人生で何が大切かは人それぞれだけれど、
 今日は残業しないでまっすぐ帰ろう。
 家族のことで、悔いは残したくないものな。


大切な人への大切な言葉

「愛してる」も「大好き」も
「ありがとう」も「嬉しいよ」も、
 いくら言っても減ることはない。
 けれどいつか、いくら言っても足りなかったなと
 後悔する日が来るかもしれない。
 だからいつでも何度でも、
 大切な人には大切な言葉を。
 言わなくてもわかることはあるかもしれないけれど、
 言わないと悔やむこともあるかもしれない。

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