【詩集】子育て|子供を愛するということは

詩・散文

生んでよかったと生まなければよかった

あなたを生んでよかったと
そういう言葉は何度言っても
子供になかなか伝わらない

けれど

あなたを生まなければよかったと
たぶん一回でも言ったなら
その子の心にずっと残る気がする

それはきっと
命に関わる言葉だから
愛に関わる言葉だから

愛するって難しい

あなたが生まれてから
愛することの難しさを感じたの

あなたと遊んだほうがいいかしら
手料理を作ったほうがいいかしら

あなたが幸せに育つために
私は何をしたらいいのかしら
何をしたら充分なのかしら

注いでも注いでも
あなたへの愛がまだ尽きないの
愛するって難しいのね

赤ちゃんの面影

寝顔を見ると
あなたが生まれた頃を思い出す

ずいぶん大きくなったけれど
親から見れば変わらないものもあるものよ

それをあなたが聞いたら
きっと煩わしいのでしょう

親の昔話
自分が幼い頃の話

子供の好奇心

ティッシュのおもちゃを与えても
本物のティッシュをたくさん出したがるし

スマホのおもちゃを与えても
私のスマホを触りたがるし

本物の感触や動きを知ろうとしてて
私の反応を楽しんでいる

子供は世界を知ろうとしている

子育ての初めて

他人から見れば些細な事
他人から見ればよくあること

それでも私にとっては初めてのこと
人生を変えてしまうかもしれないこと
最初で最後かもしれないこと
私しか経験しないことかもしれないこと

子育ては私達にとって初めてのこと
誰かの経験で補完できないこと

子供の涙で濡れる服

子供が泣いたときはぎゅっと抱きしめて
涙や鼻水で私の服は濡れてしまう

この洗いにくいはずの
服の汚れが気にならないのは
子供を愛情で包みたいから

私の人生
ずいぶんと
大切なものが増えたんだなぁ

子供が辛ければ私も辛くなった

あなたが生まれてきてくれて
嬉しいことも
楽しいことも
たくさん増えた

けれど同時に
熱を出したあなた
悩んでいるあなた
心が傷ついたあなたを見て
悲しいことも
不安なことも
胸が痛いことも増えた

愛するって
幸せなことばかりじゃないものね

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