異世界転生
死後に異世界転生した僕
高校の通学路、夕方の薄暗い交差点で僕は居眠り運転のトラックにはねられた。
僕は死んだはずだったのだが、目を覚ますと見慣れない村にある魔法陣の上にいた。
「異世界から勇者様が召喚されたぞ!」村人と思しき人が言った。
どうやらここは異世界で、僕の世界で死んだ者は、魔王を倒す力を授かった勇者としてこの世界に転生するらしい。
僕以外にもたくさんの勇者がこれまで召喚されたが、未だに魔王は倒されていないということだ。
「そんなに魔王は強いのですか?」僕は聞いた。
「いや、勇者様は必ず魔王に対抗できる魔力を持って召喚されるので、勝てないことはありません」村人は言った。
「ではなぜ魔王は倒されていないのですか」
「それが、召喚される勇者様はみんな寝たきりの老人ばかりで……」
まぁたしかに、確率的にはそうなるか。と僕は思った。
死んだ人間が転生するのなら、確率的にはそうなるだろう。
死後に異世界転生した僕②
高校の通学路、夕方の薄暗い交差点で僕は居眠り運転のトラックにはねられた。
僕は死んだはずだったのだが、目を覚ますと見慣れない村にある魔法陣の上にいた。
「異世界から勇者様が召喚されたぞ!」村人と思しき人が言った。
どうやらここは異世界で、僕の世界で死んだ者は、魔王を倒す力を授かった勇者としてこの世界に転生するらしい。
僕以外にもたくさんの勇者がこれまで召喚されたが、未だに魔王は倒されていないということだ。
「そんなに魔王は強いのですか?」僕は聞いた。
「いや、勇者様は必ず魔王に対抗できる魔力を持って召喚されるので、勝てないことはありません」村人は言った。
「ではなぜ魔王は倒されていないのですか」
「それが、召喚される勇者様が人間であること自体がかなり珍しくて……」
まぁたしかに、確率的にはそうなるな。と僕は思った。
人間より、例えば虫とかのほうがはるかに個体数は多い。
死後に異世界転生した僕③
高校の通学路、夕方の薄暗い交差点で僕は居眠り運転のトラックにはねられた。
僕は死んだはずだったのだが、目を覚ますと見慣れない村にある魔法陣の上にいた。
「異世界から勇者様が召喚されたぞ!」村人と思しき人が言った。
どうやらここは異世界で、僕の世界で死んだ者は、魔王を倒す力を授かった勇者としてこの世界に転生するらしい。
僕以外にもたくさんの勇者がこれまで召喚されたが、未だに魔王は倒されていないということだ。
「そんなに魔王は強いのですか?」僕は聞いた。
「いや、勇者様は必ず魔王に対抗できる魔力を持って召喚されるので、勝てないことはありません」村人は言った。
「ではなぜ魔王は倒されていないのですか」
「それが、召喚が不発に終わることも多く、魔法陣の上に誰もいないことも珍しくないもので……」
まぁたしかに、確率的にはそうなるな。と僕は思った。
たぶんそれは、人ではなく例えば微生物とかが転生したのだろう。
人間よりも、微生物や細菌のほうが圧倒的に個体数は多い。