唐揚げにレモンをかける・かけないのマナー
会社の飲み会。居酒屋で大皿で運ばれる唐揚げ。添えられたレモン。
唐揚げにはレモンをかけるべきなのか。私は考える。
多様な味を好む人であれば、
唐揚げの脂っこさとレモン汁の爽やかな組み合わせを好み、レモンをかけるかもしれない。
柑橘系が苦手な人は、
唐揚げにレモンをかけずにそのまま食べたいかもしれない。
落ち着きのない人は、
良かれと思って大皿の唐揚げ全てに行き渡るようレモンをかけるかもしれない。
こだわりがある人は、
大皿の唐揚げに勝手にレモンをかけるのは配慮がないと思うかもしれない。
マナーを重んじる人は、
「レモンかけましょうか」と一声かけて大皿の唐揚げにレモンをかけるかもしれない。
繊細でHSPな人は、
「レモンかけましょうか」と言われると、自分だけ「やめて」とは言えないからすごく苦痛だと言うかもしれない。
上下関係にうるさい人は、
手が汚れるレモンをしぼる仕事は、若手が率先してやるべきだと思うかもしれない。
潔癖症の人は、
他人の手でしぼったレモンがかかるのは嫌だと思うかもしれない。
個人主義でリベラルな人は、
レモンはかけたい人がかければいい。取り皿に取った後にかければいいと言うかもしれない。
合理的な人は、
個々がレモンをかけていたらレモンが足りないし時間もかかると言うかもしれない。
感染症が気になる人は、
複数の人が同じレモンを触ったら感染リスクが高まると言うかもしれない。
間を取り持とうとする人は、
大皿の半分にレモンをかけて残りの半分はかけないでおくかもしれない。
人の話を聞かない人は、
なんでこっちにだけレモンかかってないんだよと言うかもしれない。
分析をする人は、
レモンをかけたい人とそうでない人の割合に準じて、レモンをかける範囲を決めるべきだと言うかもしれない。
保守的で全体主義の人は、
みんなそうしているんだからレモンが嫌いとかガタガタ言うな。そう言って大皿の唐揚げにレモンをかけることを正しいとするかもしれない。
多様性を重んじる人は、
レモンをかけることもかけないことも尊重すべきだと言うかもしれない。
SDGsでサスティナブルな人は、
レモンを使わずに破棄することは地球環境に優しくないと言うかもしれない。
フェミニストな人は、
とにかくまずは女性の意見を聞いてみましょうと言うかもしれない。
LGBTQの権利を重要視する人は、
レモンをかけていても、その人が本当にレモンを好きかどうかはわからないと言うかもしれない。
政治家は、
唐揚げにレモンをかけることは慎重に検討を重ねて決定していくべきで、そこには個々人への配慮と全体を見た上での合理性を両立させたものでなければならないと感じているかもしれない。
子育て世代は、
レモンをしぼりたがる子供にレモンをしぼらせるか悩んで、しぼらせると案の定レモン汁が飛び散って服が汚れるかもしれない。
インフルエンサーは、
レモンが飛び散らないしぼり方のライフハックをショート動画として上げるかもしれない。
様々な考え方がある中で、私は思う。
「人間ってめんどくさいな」大皿の上で、唐揚げの私はそう思う。