おもしろい話、無料。
おもしろい話
鈴木「なぁなぁ、おもしろい話があるんだ」
佐藤「なんだよ?」
鈴木「今朝、駅のホームで電車待ってたらさ、線路に猫が迷い込んでたんだよ。手足が白くて体も白くて、首輪も白い。そして尻尾も白い。だから『尾も白い』、『おもしろい』なんてね」
佐藤「おもしろくないよ。ってかその話笑えない」
鈴木「やっぱり? ベダだよな。でも猫がいたのは本当だよ」
佐藤「その猫、うちの猫だよ。先週から行方不明なんだ」
おもしろくない話
田中「山田係長が昇進するらしいですね」
中野「らしいね。相田係長にとってはおもしろくない話だろうね。二人は同期で、お互い仕事もできて、まさに出世争いって感じだったから」
田中「でも相田係長は山田係長の昇進、喜んでるみたいですよ」
中野「意外だなぁ。二人はなんだか距離があって、仲良さそうには見えなかったから」
田中「それたぶん関係を気づかれないようにするためですよ。二人は今度結婚して、相田係長は退職されるらしいです」
おもしろそうな話
高橋「駅前にできたラーメン屋、開店記念で今ラーメンが無料らしいんだ」
伊藤「よくある『ラーメン一杯無料』ってやつか?」
高橋「いや、それがどのメニューもどれだけ頼んでも無料らしいんだ」
伊藤「それ本当か? さすがに全部はないだろ」
高橋「かもしれないけれどさ、おもしろそうだし行ってみないか?」
伊藤「まあ、いいけど」
二人がラーメン屋に行ってみると、店先には目立つような看板があった。
高橋「やっぱり『全品食べ放題、無料』って書いてあるぞ」
伊藤「確かに。ほんとに無料なのかもな。入ってみるか」
二人は店内に入り注文をする。そしてラーメンを食べたが、二人はこの店にもう来るのはやめようと思った。このラーメン屋はラーメンを無料で食べることができるが、食べる前にスキップできない広告を多数見せられる仕組みだった。麺は伸びてスープは冷める。長い広告とラーメンは相性が悪いようだ。