シンプルな物ほど長く使える

オムニバス(エッセイ風小説)

シンプルな物ほど長く使える

シンプルであるということ

 シンプルな物ほど長く使える。そのように思う。

 シンプルな物は壊れにくく飽きがこない。そしてシンプルゆえに良い意味で用途が限られる。

 世の中には便利な物が多いが、シンプルな物で生活を成り立たせることは、長期的にはコスパが良いのではないだろうか。

シンプルな物は壊れにくい

 シンプルな物は壊れにくい。

 シンプルな物は総じて構造がシンプルなので、壊れる要素が少ない。
 このため壊れにくいだけでなく、物によっては修理もしやすい。結果として長く使える物が多い。

 これは高級な物に限った話ではない。むしろ安価な物ほどシンプルであるほうが長く使える。

 シンプルな物は構成するパーツが少なかったり、昔からある素材を使っていたり、仕組みが(文化的だが)単純な物であったりする。

シンプルな物は飽きがこない

 シンプルな物は飽きがこない。

 シンプルな物はデザインが華美でなく、視覚的な刺激が優しい。いわゆるベーシックというやつだ。

 流行に左右されなしい、自分自身の年齢・年代にも左右されない。

 洋服であれば他の服に合わせやすいし、家具・家電であればインテリアに合わせやすい。

シンプルな物は用途が明確

 シンプルな物は用途が明確だ。

 特に昔からあるシンプルな物は文化に根付いていて、用途が明確かつ確立されている。

 例えば腕時計は、時間を知るための道具だ。それ以上でもそれ以下でもない。時間を見るためには役立つが、それ以外は(ファッションという側面を除きあくまで機能としては)用途があるわけではない。この上なくシンプルだ。
 時間を知りたい人は腕時計を付ければいいし、必要ない人は外せばいい。
 壊れれば修理するか買い換えればいいし、壊れていなければ使えばいい。

 一方で、多機能すぎる物、シンプルでない物は便利かもしれないが使わない機能もあって、それが生活の中で浮いてしまうことがある。
 使わない機能が邪魔になることもあれば、一部の機能は使えるけれど他の機能が壊れてしまったということもあるだろう。
 そういったアンバランスさを生むことがある。

シンプルな物を長く使うということ

 シンプルな物は、時として自分の生活に何が必要かを教えてくれるし、それを見直す機会になる。

 何かを長く使うということが、必ずしも正しいわけではないだろう。
 しかし自分に合った心地良い物を長く使うことで、見えてくる生活や感じる充実感もあるかもしれない。

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