老害や無能な上司は急に何かを言ってくる

オムニバス(エッセイ風小説)

老害や無能な上司は急に何かを言ってくる

急に何かを言い出す老害

 会社において、老害や無能と評価される上司は唐突に仕事を押し付けてくることがある。
 社員にとっては寝耳に水で、その急展開に辟易する。

「今週中までに○○をやるように」
「例の企画はA案ではくB案でやるように」
「その予算は通せない」

 そういった、社員にとってはものすごく労力と時間がかかることを突然言ってくる(しかも締め切りは短い)。
 上司のほうは現場がわかっておらず、それが簡単にできることだと思っている。
 しかも上司の意思決定にはあまり合理性や論理性が見出せず、「上司の気分なのではないか」と思えるから質が悪い。

 なぜこのような意思決定を無能な上司はしてしまうのか。
 それはおそらく社員とコミュニケーションが取れていないからだ。
 コミュニケーションが取れていないから、現場がわからない。
 現場がわからないからちぐはぐな意思決定しかできない。
 意思決定が下手であるから社員の反感を買い、余計に孤立しコミュニケーションが取れなくなる。
 これ以上にないほどシンプルな悪循環だ。

プライドが高い老害

 無能な上司は有益でない意思決定を突然に行いがちだ。
 現場にそぐわない意思決定で現場を振り回す。
 このような意思決定はプライドが高い人ほど目立つ。
 つまり、自分の権力を行使したいし、自分の思ったように物事を進めたいし、自分の思ったように人を動かしたい。
 そこに「相手の立場に立つ」とか「現場を尊重する」とか「他人の話に耳を傾ける」といった要素がない。

 プライドが高い無能な上司は筋が通っていない理論を振りかざし、他者と論理的な話し合いができない。
 話し合いができないから「あの人は話しても通じない」と周りから諦められ、放っておかれる。
 プライドが高いから、「放っておかれている」ということを認めたくない。そのために唐突な意思決定を行う。自分の権力を行使するために。
 しかしそれまで「相手の立場に立ち」「現場を尊重し」「他人の話に耳を傾けて」こなかったツケが回る。つまり、無能な意思決定をする。そうしてさらに社員から信頼を失う。

 そのような、悪循環に陥る。

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました