三匹の子豚と家
成長した三匹の子豚は、母の提案で一人一人自分の家を持つことになった。
各々が場所を選び、自分の好きな家を建てた。
長男は藁を使った簡易な家を建てた。藁は軽く、すぐに家は完成した。
次男は木材を使った家を建てた。藁より時間と労力は要したが、ほどなくして家は完成した。
三男はレンガを使って家を建てた。レンガは運ぶことも組み立てることも手間を要し、三男は大変な労力を払って家を建てた。
三男が汗水たらし時間をかけて家を作る様を見て、よくあそこまで頑張れるものだと次男は言った。時間ばっかりかければいいてものじゃないさと長男は言った。
三匹は各々の家を建て、充実した日々を送っていた。
そんなある日、一匹の狼が三匹の子豚を狙っていた。
狼はまず長男の子豚を狙った。
狼に気づいた長男は慌てて家に駆け込むが、軽い藁の家は狼が勢いよく息を吹きかけると途端に吹き飛んでしまった。
長男は次男の家に入り助けを求めた。しかし今度は狼は木の家に体当たりをして家を壊してしまった。
長男と次男は三男の家に逃げ込んだ。丈夫なレンガの家はどうやっても狼には壊せそうにない。
しびれを切らした狼は、煙突から侵入しようとする。しかし三男は煙突の下に沸騰したお湯を設置しておいた。侵入した狼は火傷をして逃げ出してしまった。こうして三匹の子豚は助かった。
「助かったよ。ありがとう」次男は言った。
「この家は丈夫だからね。」三男は嬉しそうに言った。
「少し気にはなっていたけれど、今回のことで学んだよ。この土地は狼がいてどうも治安が悪い。もう少し安全な場所に引っ越そうと思う」長男は言った。
次男は僕もそうしようかなと言った。三男にそれはできそうにない。なにせレンガの家はそう簡単に作れるものではないからだ。後日、長男と次男は狼がいない穏やかな土地に引っ越した。三男は時々襲ってくる狼に対処しながら生活を送った。どうやらこの土地は近くに狼の縄張りがあるらしい。