二種類のコミュニケーション能力と人間関係
二種類のコミュニケーション能力
コミュニケーション能力には二種類ある。
自分が好きな人に対するコミュニケーション能力と、
自分が嫌いな人に対するコミュニケーション能力だ。
前者は深く狭い人間関係に役立ち、後者は広く浅い人間関係に役立つ。
言わずもがなコミュニケーション能力が高い人はこのどちらの能力も高いわけだが、特に「自分が嫌いな人とでも」良好な人間関係を築ける人は周囲から社交性が高いと評価されるだろう。
自分が好きな人に対するコミュニケーション能力
ここで言う「好きな人」とは恋愛対象に限らない。
友達として好きも、仕事仲間として好きも、単に気が合うも含まれるだろう。
要するに、自分が好きな人に対するコミュニケーション能力とは、自分が仲良くなりたいと思える人と実際に仲良くなれる能力のことだ。
これは一見簡単なようで難しい。
コミュニケーションが苦手な人は、好意がある人に対していわゆる「ぐいぐい」行って相手を引かせてしまう。
人間関係において「足るを知る」ことは重要だ。
押すときは押して引くときは引く。好意を示すときは示して、さっぱりするときはする。
この塩梅は言うのは簡単だが行うのは難しい。
自分が好きな人に対するコミュニケーションは、相手の心情を察して相手が自分の好意を「重く感じない」接し方が必要だ。
自分が嫌いな人に対するコミュニケーション能力
学校でも会社でも、少なからず「嫌いな人とでもそれなりにうまくやっていかないといけない場面」があるだろう。
そのようなときに、「自分が嫌いな人に対するコミュニケーション能力」が試される。
嫌いな人とコミュニケーションを取ることは、誰しも心躍るものではないだろう。できれば避けたい。
しかし、歳を重ねていけばいくほど、社会のしがらみが増えるほど、そういった状況をうまくこなす力の重要さも身に染みることがある。
特に、自分が嫌いな人を避ける一方で、同じようにその人が嫌いなのにうまく人間関係を作るコミュ力の高い人を見ると、なんだか自分が子供のように感じることはないだろうか。
要するに、嫌いな人を嫌いなままでもいいが、それと不誠実な対応を取ることは別の話なのだ。
誰にだって気が合わない人や嫌いな人はいる。
けれどそれはそうとして、公の場やシチュエーションに合わせて「大人な」対応ができると重宝する。
嫌いな人とばかり居ないといけないとか、嫌いな人と親友にならないといけないとか、そういう話ではない。
嫌いな人とどうしても接さないといけないとき、できるだけ心の負担を軽く、かつ人間関係をうまく回すにはどうしたらいいかという自分なりの術を持っていると重宝するだろう。