良い物を長く使うというよりは
丁寧な暮らし
良い物を長く使うというよりは、適切に使うということが大切なのだと思う。
多くの人が、雑多な毎日ではなく丁寧な暮らしに魅力を感じる。
そして丁寧な暮らしの一つのヒントとして、「良い物を長く使う」という価値観がある。
しかしながら、なんでもかんでも「良い物」を「長く使う」では、私達の実際の生活は成り立たないことが多い。
私達が丁寧に暮らすためには、理想と現実の間を埋める、自分なりの生活の馴染ませ方のようなものが必要なのだ。
自分にとって特別な物
人によって、生活の中で何を使うかは違う。
コーヒーが好きな人は毎日のようにドリッパーを使うかもしれないし、腕時計が好きな人は毎日腕時計をつけるだろう。
毎週キャンプに行く人はお気に入りのキャンプギアを持っているだろうし、字を書くことが好きな人はボールペンにこだわりがあるかもしれない。
要するに、人にはそれぞれよく使う物と使わない物がある。思い入れが強い特別な物もあれば、単に生活に必要だから持っている物もある。
そういう、よく使う物は良い物を選び長く使ったらいいと思う。
生活に必要な物
けれど人生は、毎日の生活は、よく使う物や思い入れの強いも物ばかりで成り立つわけではない。
一回しか使わない物や、長く自分が使うかわからない物もある。
例えば、学校やサークルや会社やPTAで準備するよう言われた物。汚れてもいい無地のTシャツだとか、黒のズボンだとか、そうやって何かの活動のために指定される物。
社会で生活をしていると、そういう集団の活動のために何かを準備しないといけないことがある。
そういうときに、家になければ買うことになる。そしてそれは自分が必ずしも普段から使う物とは限らない。
こういう物は、できるだけ持ちたくないし、もしどうしても必要なら、安くぱっと済ませていいのではないだろうか。
適切に使う
大切なのは、適切に物を使うことだと思う。
適切に物を使うとは、二つの意味があると思う。
一つは、自分の気持ちや使用頻度に合わせて柔軟に物を準備するということだ。
自分にとって思い入れがありこだわりたい物は良い物を買ってもいいだろう。
反対に、そこまでこだわりのない物は、自分がそれでいいと思えるなら百円ショップで揃えたっていい。きっとそれは他人の価値観に左右される必要もないだろう。
もう一つは、どんな物でも丁寧に使うということだ。
安い物も高い物も、きちんとメンテナンスして丁寧に使う。安いから雑に使っていいとしていては、本当に良い物を使うときでも雑にしてしまうかもしれない。
物を適切に使う習慣がなければ、どんなに良い物も使いこなすことはできないだろう。