固有名詞をローマ字で書く際のルール
日本語をそのままローマ字で書く際のルールを挙げていきたい。
これらルールは様々あり唯一の正解はないが、比較的推奨される主なものを挙げていこうと思う。
原則として、固有名詞や海外でも浸透している語は無理に英訳せず日本語をそのままローマ字で表したほうがいい。
例えば「着物」は衣服を表す「clothing」とするよりも、そのまま「Kimono」としたほうが文化的な背景も伝わりやすいだろう。
ルールの一覧
ヘボン式を用いる
日本語をローマ字にする際は、ヘボン式で表記するほうが無難だ。
ローマ字での日本語表記には大きく「訓令式」と「ヘボン式」がある。
訓令式とは例えば「し」を「si」と表記する方法だ。
一方、ヘボン式とは「し」を「shi」と表記する。
訓令式の方が規則性があるが、ヘボン式のほうが日本語圏以外の人から見ると発音を想起しやすい。
要するに「ti」と書くより「chi」と書いたほうが、日本人が想像する「ち」という音を外国人がイメージしやすい。
ヘボン式で書く場合、表記は主に以下のようになる。
- あ、い、う、え、お「a,i,u,e,o」
- か、き、く、け、こ「ka,ki,ku,ke,ko」
- さ、し、す、せ、そ「sa,shi,su,se,so」
- た、ち、つ、て、と「ta,chi,tsu,te,to」
- な、に、ぬ、ね、の「na,ni,nu,ne,no」
- は、ひ、ふ、へ、ほ「ha,hi,fu,he,ho」
- ま、み、む、め、も「ma,mi,mu,me,mo」
- や、ゆ、よ「ya,yu,yo」
- ら、り、る、れ、ろ「ra,ri,ru,re,ro」
- わ、を、ん「wa,o,n」
- が、ぎ、ぐ、げ、ご「ga,gi,gu,ge,go」
- ざ、じ、ず、ぜ、ぞ「za,ji,zu,ze,zo」
- だ、ぢ、づ、で、ど「da,ji,zu,de,do」
- ば、び、ぶ、べ、ぼ「ba,bi,bu,be,bo」
- ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ「pa,pi,pu,pe,po」
- きゃ、きゅ、きょ「kya,kyu,kyo」
- ぎゃ、ぎゅ、ぎょ「gya,gyu,gyo」
- しゃ、しゅ、しょ「sha,shu,sho」
- じゃ、じゅ、じょ「ja,ju,jo」
- ちゃ、ちゅ、ちょ「cha,chu,cho」
- ぢゃ、ぢゅ、ぢょ「ja,ju,jo」
- にゃ、にゅ、にょ「nya,nyu,nyo」
- ひゃ、ひゅ、ひょ「hya,hyu,hyo」
- びゃ、びゅ、びょ「bya,byu,byo」
- ぴゃ、ぴゅ、ぴょ「pya,pyu,pyo」
- みゃ、みゅ、みょ「mya,myu,myo」
- りゃ、りゅ、りょ「rya,ryu,ryo」
- イェ「ye」
- ウィ、ウェ、ウォ「wi,we,wo」
- ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ「va,vi,vu,ve,vo」
- ヴュ「vyu」
- スィ、シェ「si,she」
- ズィ、ジェ「zi,je」
- ティ、テゥ、チェ「ti,tu,che」
- ディ、ドゥ、ヂェ「di,du,je」
- ファ、フィ、フェ、フォ「fa,fi,fe,fo」
母音が続くまとまりは長音として記号で表現する
長音はアルファベットの上に長音記号をつける。
ただし長音記号がパソコンなどの事情により変換できない・文字化けの危惧がある場合は省略することも考える。
「東京(Tokyo)」などのように、比較的広く認知されている語についても省略する。
このように、日本語をローマ字表記する際は同じ母音が続く場合を長音の適用と考える。ただし「こう」「そう」など日本語の語感として「おー」と認知できるものも長音の適用と考える。(例えば「高校(koko)」
母音が異なる場合はそのまま表記する。
例としては、「ガラケー」は「garake」であり「garakee」ではないが、「携帯(けいたい)」は「keitai」であり「ketai(ケータイ)」ではないだろう。
ただし、漢字が分割されている場合はこの限りではない。
例えば「経緯(けいい)」という語はそのままローマ字で表すと「keii」と同じ母音が続くが、これは「経(けい)」と「緯(い)」というそれぞれの文字であるからこれでいい。「kei」とはしない。
促音は子音を繰り返す
促音、つまり小さい「っ」は子音を繰り返して表現する。
例えば「がっこう(学校)」は「gakko」。
ただし「ch」については「t」を用いる。
例えば「マッチ(matchi)」。