ポジティブ思考になる方法について

オムニバス(エッセイ風小説)

ポジティブになれる方法

ポジティブであること

 ポジティブであるということは、明るい未来を見つめることができるということだ。

 過去に囚われず、未来を見つめ、今を生きることができること。
 それがポジティブに生きることなのだと思う。

 未来をどのように見つめるか。
 それだけで人の今は大きく変わる。
 悲惨な未来を想像し絶望に打ちひしがれることもあれば、心躍る未来を思い描き今にわくわくすることもできる。
 たとえ同じ「今」であっても、未来をどう思い描くかで人の思いは変わる。

 ポジティブであるということは、未来を思い描ける力があるということなのだ。

ポジティブになる方法

 ポジティブになるということは、「ネガティブにならない」ということだ。
 当たり前だが、重要なことだ。

 ネガティブにならないとは、「起こってもいない不安な出来事に心を奪われない」ということだ。

 未来がどうなるかはわからない。
 だから何が起こるかわからないし、だから不安を挙げればキリがない。
 そういった「起こるかもしれないこと」に不安になったり絶望しても、それはキリがないことだ。

 ポジティブであるということは、起こってもいない不安な出来事を「起こっていない」と割り切れる力なのだ。

 例えば失恋をしたとする。
 それは悲しいことだ。
 しかしその後、「こんなに素敵な人とはもう出会えないかもしれない」と落ち込むのはまた別の話だ。
 「こんな素敵な人」とは出会えないかもしれないし出会えるかもしれない。それはまだ「わからない」ことだし、「起こってもいないこと」だ。

 過去と今と未来はつながっている。
 しかし悲しいことや辛いことが起こったとき、その「今」に「未来」を干渉させてはいけない。

ポジティブになれないとき

 それでもポジティブになれないときはあるかもしれない。
 悲しみや絶望はあくまで個人的なものであり、誰かの理屈で解消するとは限らない。

 無理にポジティブになろうとしないことも大切だ。
 なぜなら本当にポジティブなときは「ポジティブであろう」と気にはしていないからだ。

 悲しいときや辛いとき、無理にポジティブになろうとしなくていい。
 ありのままの自分でいい。

 それでも、ネガティブな自分が辛くてポジティブになりたいときがあるだろう(だから多くの人は「ポジティブになれる方法」を求める)。

 辛い出来事があってポジティブになりたいときは、日常のすることを淡々とこなしていくといい。

 栄養のある食事を摂ること、健康的な時間に歯を磨いて寝ること。
 いつも読んでいる本を読むこと。好きな動画を見ること。
 いつもの会話といつもの日常。

 人間とは不思議なもので、同じような毎日を送っていると同じような心持に戻っていく。

 日常を丁寧に送りながら、「起こってもいない出来事」を少しずつ切り分けていく。それにはゆっくりと自分のペースで時間をかけていい。

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