会話のコツ・話し上手の特徴について
そもそもの話だが、「話すのが上手い人」より「聞くのが上手い人」のほうがコミュニケーションは上手くいく。
だから話し上手になる第一歩は、「聞くほうが大事だ」と肝に銘じて話すことだ。
これで「つまらない話を長々と聞かせる」という、会話における最大の失敗を回避できる。
そういう前提を持った上で、ではどう話したらいいかを考える。
上手な話し方のコツ
ポール・グライスの協調の原理
何を持って話し上手か。
それは人や状況によるから難しい。
こういう抽象的な問題は、何か土台のようなものがないとそれこそ「話が進まない」。
会話をする上で心掛けることとして、言語学者のポール・グライスが考えた「協調の原理」という会話のルールがある。
- 質の公準
- 量の公準
- 関連性の公準
- 様式の公準
協調の原理は上記のような四つの公準で成り立つ。
要するに、人と会話をするときは「適切な内容を適切な長さで、話題から逸脱せずに空気を読んで話せ」ということだ。
以上を踏まえ、(専門的な協調の原理からはやや逸れるかもしれないが)日常における会話のコツを見ていこう。
会話の原則
嘘をつくな
上手に話したいと思うなら、いちいち嘘をつくな。
ここで言う「嘘」とは、社交辞令のことではない。
要するに、つまらない見栄を張ったり、知ったかぶりをしたり、でたらめな事を言うなということだ。
相手の利益にならない、くだらない・すぐばれる嘘をいちいちつくなということだ。
これは逆の立場になるとわかりやすい。
すぐに見栄を張り、知ったかぶりをし、でたらめな事ばかり言う人とあなたは話したいと思うだろうか? 話を聞きたいと思うだろうか?
ちょうどいい長さで話せ
話が長すぎる人はうざい。
話が短すぎる人は気まずい。
会話というのはその場その場で求められる「ちょうど良い長さ」がある。
長ければいい・短ければいいという単純な話ではない。
要するに、「今この場ではどのくらい話すのが適切か」と考えられる人が話し上手なのだ。
関係ないことを話すな
今の話題と関係があることを話せ。
ただ自分が話したいからと、関係ないことを話すな。
会話というのは流れがある。
そして特定の話題に沿って行われる。
この話題がコロコロ変わり過ぎては相手はついていけない。
逆にまったく変わらないと会話が凝り固まり単調でつまらない。
満足度が高い会話は、話題が滑らかに移り変わっていく。
空気を読め
言葉になっていない意図も含めて会話をしろ。
会話には必ず言葉になっていない意図がある。
それを汲み取った会話は心地良い。
例えば「お腹空いたね」は「何か食べに行こう」かもしれないし、「そろそろ帰ろうか」かもしれない。
相手の意図を汲み取って話すこと、相手が汲み取れる意図で話すことが大切だ。