ハムスターの供養の方法・お墓の種類

オムニバス(エッセイ風小説)

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ハムスターの供養の方法・お墓の種類

 庭に埋めるといった自宅での埋葬ができない場合、ハムスターが亡くなれば多くの場合はペット斎場で火葬することになる。
 そして、小さな骨壺に入ったその遺骨をどう供養するか、残された家族は選択することになる。

 ハムスターの最終的な供養の仕方はいくつかある。

散骨

 一つ目は散骨。
 遺骨を砕き粉にして、海などに撒き自然に帰す方法だ。
 例えば海に散骨すれば、海を眺めるたびに愛するペットのことを思い出すことができる。
 反面、散骨はお墓のような亡くなった命を振り返る特定の場所を得ることはできない。

人と同じお墓に納める

 二つ目は自分達の墓に納める。
 自分の家系の墓に一緒にハムスターの骨壺を入れるパターン。
 これは墓地の規約と家族の宗教観によって可能かどうか決まる。

 大切な親族と愛おしいハムスターを一緒に悼むことができるので、お墓に対する思いも強まる気がする。
 一方で、例えば私の祖父は私が子供の頃に他界したわけで、祖父の目線では会ったこともないネズミが自分の墓に入ってくるわけだ。その光景を想像すると、若干神聖さを損なう気がしないでもない。

ペット専用のお墓

 三つ目はペット専用の墓を建てる。
 当然これが最もコストがかかる。もちろん私にとってハムスターはかけがえのない存在だった。しかし個人的な常識としては、犬・猫よりはるかに小さく寿命が短いハムスター一匹に、専用の墓を建てるのは幾分過剰な気がしないでもない。
 多頭飼いで複数のハムスターを長期間供養する人ならまた違うのかもしれないが。

合祀(ごうし)

 四つ目は合祀。
 つまり亡くなったペット達のための合同のお墓があり、そこに遺骨を納めるパターンだ。
 骨壺から出された遺骨は他の家庭のペットの遺骨と混ざっての埋葬となる。
 合同であるためリーズナブルは反面、一度埋葬すれば自分達のペットの遺骨がどれかはわからなくなる。というか勝手に中を開けて見ることはできないだろう。

 愛着のあるペットの遺骨が二度と判別できなくなるというのは、それなりの覚悟と心の整理がいるかもしれない。
 しかしハムスターを供養し、定期的にお墓参りをしたいと思ったとき、最も現実的な選択肢かもしれない。

納骨堂

 五つ目は納骨堂を利用する方法だ。
 ペット斎場にはしばしば納骨堂がある。室内に仏様、それを囲むように仕切り棚が多数。その棚の一部を費用を払ってレンタルできる。そこに生前のハムスターの写真や、遺骨が入った骨壺を置く。
 納骨堂は専用の墓より費用をぐっと抑えられ、また合祀のように他のペットと遺骨が混ざることもない。現実的な選択肢の一つだろう。
 室内ゆえに雨でも通いやすいし、棚は我が家のハムスター専用スペースになるから生前好きだった物をお供えすることもできる。
 ちなみに納骨堂の多くは年間いくらといった形でランニングコストがかかる。


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